同級生に、町で会うのが怖かった
引きこもりで一番避けたかった遭遇。
地元のコンビニで、昔の同級生と、ばったり会うこと。
同級生は、社会の代表みたいな存在
同級生は、本来、ただの知人だ。
でも、引きこもってる時期の自分にとって、同級生は「社会の代表」みたいな存在だった。
- 彼らは大学に行ってる、あるいは働いてる
- 彼らは普通の時間に起きて、普通の時間に寝てる
- 彼らは誰かと付き合ってる、結婚してる、子供がいる
- 彼らの生活は、自分の生活の真逆にある
その代表者と、こちらが平日昼のコンビニで、伸びっぱなしの髪とよれたジャージで、鉢合わせる。
想像するだけで、全身が固まる。
「今、何してるの?」が、一番怖い
同級生に会った時、99%の確率で来るのが、
「今、何してるの?」
この一言。
悪気はない。社交辞令だ。でも引きこもり側にとって、この質問は、自分の現在地を、説明可能な言葉で答えろ、という要求になる。
- 「働いてる」: 嘘
- 「ニート」: 自分で言うにはキツい
- 「家で…いろいろ」: 詰められる
- 「ちょっと療養中で」: 無難だが気を遣わせる
どれを選んでも、その後の会話がしんどい。
このしんどさを避けるために、地元のコンビニに行かなくなった時期がある。
地元を離れられるなら、離れた方が楽
これは正直な話として書いておく。
地元を離れて一人暮らしを始めると、同級生遭遇の恐怖は、ほぼゼロになる。
地元に住んでると、コンビニ、スーパー、駅、病院、どこでも「知ってる顔」と遭遇する可能性がある。
知らない街に引っ越すと、この確率が、物理的にゼロに近くなる。
自分は、引きこもりから半引きこもりに抜ける時期に、地元から離れる選択をした。これが、自分の回復にとって一番効いた要素のひとつだった、と今でも思う。
家族と離れる、地元から離れる、という選択肢は、引きこもりの選択肢として、もっと大きく存在していいと思う。
地元を離れられない時の、回避技術
とはいえ、地元を離れられる人は、限られてる。
家族の事情、金銭的な事情、体力的な事情。どれかひとつでもあると、引っ越しは難しい。
地元に住んだまま、同級生遭遇を減らす工夫を、自分がやってたリスト。
- 時間帯の徹底: 同級生が働いてる平日の9〜17時は、むしろ町に出やすい。朝夕の通勤時間と、夜の飲み会時間を避ける
- 店を分散: 近所のコンビニじゃなく、隣駅の駅ナカを使う。ドラッグストアは薬局併設の大型店(知人と入りにくい)
- 格好を変える: マスク、帽子、眼鏡、フードで、遠目に自分と気づかれないようにする
- 休日は家にいる: 土日の繁華街は、同級生の遭遇率が一番高い
「会う確率を限りなくゼロに近づける」技術で、結構な部分が解決する。
会ってしまった時の、最短返事
それでも会ってしまった時。
自分が用意してた返事は、これ。
「うん、今ちょっとフリーで、家のこと手伝ってて」
これを、表情を変えずに、淡々と、短く返す。
- 「フリー」は曖昧でいい。向こうが想像する
- 「家のこと手伝ってて」は嘘じゃない(家にいる=ほぼ家のこと)
- 短く終わらせる
その後、「そっかー、またねー」で相手が立ち去るように、こちらから深追いしない。雑談が続くと死ぬので、早く会話を終わらせる設計で返事を組む。
会ってしまっても、死にはしなかった
こう書いておいてなんだけど、何回か、地元のコンビニで同級生に会ってしまったことがある。
会った時、心臓が爆発するかと思った。
でも、5分後には、別に何も起きてなかった。
向こうは自分の生活に戻っていったし、自分も家に帰って布団に入った。「今何してるの」に答えて、ちょっと会話して、解散した。それだけ。
会った瞬間の恐怖と、会った後の実被害は、全然違った。引きこもりの脳は、遭遇を人生終了イベントと誤認するけど、実際には、ただの不快な5分で終わる。
会わない工夫だけ、自分のペースで
同級生と会えるようになる、が目的じゃない。
会わない工夫を、自分のペースで作っていく。それで十分。
- 時間帯をズラす
- 店を分散する
- 格好で隠す
- 引っ越せるなら引っ越す
- 会っちゃったら5分で終わらせる
この5つを、自分の状況に合わせて組み合わせる。同級生遭遇恐怖は、治らない。ただ、発生頻度を下げる技術で、生活が回る。
治さなくていい。避ければいい。それでいい。