外の苦しさ

ひきこもり地域支援センターって、実際どういう場所なのか

引きこもってた頃、「ひきこもり地域支援センター」という名前だけは知ってた。

知ってたけど、最後まで行かなかった。場所がどこにあるのかも、入ったら何をされるのかも、よく分かってなかったからだ。

名前は知ってたけど、中身は知らなかった

引きこもりに関係する窓口を検索すると、わりと上の方に出てくるのが「ひきこもり地域支援センター」だった。

ただ、自分の中では名前だけが先行していて、実態はほぼ空白だった。

  • どこにあるのか
  • 何をする場所なのか
  • 行ったら何をさせられるのか
  • そもそも自分みたいなのが行っていい場所なのか

このあたりが全部ぼんやりしたまま、「とりあえず怖い場所」というラベルだけ貼って放置していた。

人は、中身が見えないものを一番怖がる。自分にとってこの窓口は、ずっと中身の見えない箱だった。

ひきこもり地域支援センターは、何をする場所か

抜けてから改めて調べると、思っていたよりシンプルな場所だった。

ひきこもり地域支援センターは、都道府県や指定都市が設置している公的な相談窓口で、引きこもりに関する相談を受け付けている。近年は市町村単位でも相談窓口の設置が進んでいると言われている。

役割をざっくり言うと、

  • 本人や家族からの相談を聞く
  • 状況に応じて、医療・福祉・就労などの適切な機関につなぐ

という「最初の入口」と「振り分け」の機能を持った場所だ。

社会福祉士や精神保健福祉士といった資格を持った「ひきこもり支援コーディネーター」が相談に応じる、という体制が一般的だとされている。つまり、いきなり就職させられる場所でも、無理やり外に引っ張り出される場所でもない。まずは話を聞いて、必要があれば次につなぐ。それが軸の場所だった。

当時の自分は、ここを「社会復帰の最終面接会場」みたいなイメージで身構えていた。実際は、もっと手前の相談窓口だった。

「本人が行かなくていい」を、後から知った

自分が一番後から知って驚いたのが、ここだ。

本人が行かなくても、家族だけで相談できるのが一般的らしい。

引きこもってた頃の自分は、「支援」と聞くと反射的に「自分が出向いて、自分が喋らされる」絵を浮かべていた。でも実際には、

  • 親だけが相談に行く
  • 家族が状況を説明して、対応の糸口を一緒に考える

という使い方が普通にあるという。本人が一歩も動けない段階でも、家族が代わりに窓口に触れておける。これを知っていたら、当時の自分の身構え方は少し違ったかもしれない。

「自分が動けないと何も始まらない」と思い込んでいたけど、動ける人が代わりに最初の接点を作っておくという入口があったわけだ。

電話で相談できる、というハードルの下げ方

もう一つ後から知ったのが、電話相談も多いということ。

これは引きこもり側からすると地味に大きい。来所、つまり実際にその場所まで行くのって、自分にとっては山を登るくらいの話だった。コンビニすら遠かった時期に、知らない建物に入って知らない大人と話すなんて、想像の中だけで疲れ果てていた。

電話も電話で怖いは怖い。自分にとって電話は今でも得意じゃない。ただ、家から出て建物に入るのと、家にいながら声だけ届けるのとでは、ハードルの高さがぜんぜん違う。

自治体によって体制は違うはずだけど、「来所しないと話せない」一択じゃないらしい、と知っておくだけで、箱の中身が少し見える。

費用は、基本的にかからない相談が中心

ここも当時の自分が勝手に身構えていた部分だ。

「相談=お金がかかる」というイメージが、なぜか頭にこびりついていた。民間のカウンセリングの料金表みたいなものを連想していたんだと思う。

でもひきこもり地域支援センターは公的なサービスで、相談は基本的に無料のものが中心だとされている。

お金の心配で入口の前で止まる、という詰まり方をしなくていい。これも、知らないと勝手にハードルを上げてしまうポイントだった。

自治体によって、けっこう違うらしい

ここまでフラットに書いてきたけど、ひとつ正直に添えておく。

自治体ごとに、名称も体制も対応の手厚さも差があるらしい。

  • 名前が微妙に違う
  • 相談の対応範囲が違う
  • どこまで踏み込んでくれるかが違う

このあたりは地域差が大きいと言われている。だから「全国どこでも同じ手厚さ」とは言い切れない。

なので、もし中身を確かめたくなったら、お住まいの地域の窓口で確認するのが確実だと思う。ここで具体的な番号やURLを書いても、自治体ごとにバラバラだから、かえって当てにならない。

行かなくてもいい。地図に一個書き足すだけでいい

ここまで読んで、「じゃあ使え」と言いたいわけじゃない。

自分自身、結局この窓口は使わなかった。家でひとりで何かやる方に振って、ポイ活からアフィリへと自分のペースで動いていった。それは別の記事で何度も書いている。

だから自分が言いたいのは、使えでも使うなでもなくて、

  • 本人が行かなくていい
  • 家族だけで相談できる
  • 電話でもいい
  • 基本は無料

こういう場所が、怖いラベルの下に実は存在している、ということだけだ。

使う前提じゃなくていい。今日いきなり連絡しなくていい。ただ、逃げ道の地図に一個、こういう窓口があると書き足しておく。それだけで、いざという時に思い出せる引き出しが一つ増える。

当時の自分が一番損していたのは、中身を知らないまま「怖い」で閉じていたことだった。中身が見えると、怖さの総量はちょっと減る。減らすだけ減らして、使うかどうかはその時の自分が決めればいい。

知っておく。でも、急がない。それくらいの距離感で、ちょうどいいと思う。


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