知りたいこと / 更新 2026.10.19

ひきこもり地域支援センターとは?電話できない人のための、相談の中身と窓口の探し方

先に言うと

  • ひきこもり地域支援センターは、全都道府県と指定都市にある、ひきこもり専門の公的な相談窓口。本人だけでなく、家族やきょうだいからも相談できる
  • 入口は電話や来所が多い。ただ、メールやSNSで受けている窓口もあって、どこまで対応しているかは窓口による
  • 自分は最後まで使わなかった。でも、中身を知っておくだけで「怖い場所」の怖さは少し減る

引きこもってた頃、「ひきこもり地域支援センター」という名前だけは知ってた。知ってたけど、最後まで行かなかった。場所がどこにあるのかも、入ったら何をされるのかも、よく分かってなかったからだ。

当時の自分が知りたかったことを、厚生労働省の資料で確かめて書く。特に、電話ができない人の目線で。

カゲの場合:名前だけ知っていて、最後まで使わなかった

中身が見えないから、怖かった

引きこもりに関係する窓口を検索すると、わりと上の方に出てくるのが「ひきこもり地域支援センター」だった。ただ、自分の中では名前だけが先行していて、実態はほぼ空白だった。

  • どこにあるのか
  • 何をする場所なのか
  • 行ったら何をさせられるのか
  • そもそも自分みたいなのが行っていい場所なのか

このあたりが全部ぼんやりしたまま、「とりあえず怖い場所」というラベルだけ貼って放置していた。

来所、つまり実際にその場所まで行くのは、自分にとっては山を登るくらいの話だった。コンビニすら遠かった時期に、知らない建物に入って知らない大人と話すなんて、想像するだけで疲れ果てていた。

「相談=お金がかかる」というイメージも、なぜか頭にこびりついていた。

最初の一歩が、たいてい電話だった

支援サービスの連絡先を見て、最初に折れる場所はだいたい同じだった。「まずは電話でご相談ください」と書いてある。対面相談の予約も電話。

電話は今でも得意じゃない。一番きつい時期の自分にとって、電話はコンビニより遥かに高いハードルだった。

メール相談を受け付けてるところもあったけど、結局二回目以降は電話か対面に流れる仕組みで、入口だけメールで、本体は電話か対面、みたいな構造になっていた。これに気付いた瞬間、一覧を眺めるのをやめた。

ひきこもり地域支援センターも、電話のハードルは同じだと思った。ただ、家族相談の枠があるので、親が動けば話だけは進められる。家族側から動ける選択肢としては、有効に見えた。

自分が選んだのは「使わない」だった

結局、自分はこの窓口を使わなかった。家でひとりで稼ぐ方に振って、ポイ活から始めて、少しずつアフィリに移っていった。

これは「支援を使わない方が偉い」という話じゃない。自分の場合は、使わない方が結果的に楽だった、というだけの話。家族相談から入って、訪問支援までつながる人もいる。

当時の自分が一番損していたのは、中身を知らないまま「怖い」で閉じていたことだったと思う。

ひきこもり地域支援センターとは

ひきこもりに特化した、行政の相談窓口。厚生労働省の説明をまとめると、こうなる。

  • どこにあるか:全ての都道府県と指定都市にある。市町村にも少しずつ増えている
  • 誰が相談に乗るか:社会福祉士、精神保健福祉士、保健師、公認心理師、臨床心理士などの資格を持つ「ひきこもり支援コーディネーター」
  • 何をするか:本人や家族の相談を聞いて、必要な支援につなぐ。地域の関係機関とのネットワークづくりや、居場所の提供もしている
  • 運営:行政が運営する窓口だが、NPO法人などに委託しているケースもある

出典:厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」「ひきこもりVOICE STATION」

つなぎ先の例として、福祉事務所、保健所、精神保健福祉センター、医療機関、地域若者サポートステーション、ハローワークなどが挙げられている。つまり、いきなり就職させる場所ではなく、まず話を聞いて、必要があれば次につなぐ「入口」の窓口だ。

当時の自分は、ここを「社会復帰の最終面接会場」みたいなイメージで身構えていた。実際は、もっと手前の相談窓口だった。

誰が相談できるのか

本人じゃなくてもいい

厚生労働省の「ひきこもりVOICE STATION」には、相談は本人から、家族から、きょうだいからなど、どなたからでも可能と書かれている。最初は家族の相談から始まって、あとで本人と家族が一緒の相談につながった例も多い、とある。

支援者向けのハンドブックにも、本人と直接会えなくても、家族への支援だけでも続けることが大事だ、と書かれている。

出典:厚生労働省「ひきこもりVOICE STATION」「ひきこもり支援ハンドブック」

年齢や期間で区切られていない

2021年度に全国のセンターに相談した人は、10代以下から50代以上まで幅広い。一番多いのは20代(約27%)で、40代も約17%、50代以上も約9%いた。

出典:厚生労働省「ひきこもり支援施策について」(令和3年度の相談実績)

また、2025年に出た支援者向けのハンドブックでは、支援の対象について「その状態にある期間は問いません」と書かれている。以前は「ひきこもり状態が6か月を過ぎてから来てほしい」と言われて、窓口に不信感を持った人もいた、とも書かれている。

出典:厚生労働省「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」

連絡すると、何が起きるのか

当時の自分は、「支援」と聞くと反射的に「自分が出向いて、自分が喋らされる」場面を思い浮かべていた。厚生労働省の資料に書かれている流れは、もっと地味なものだった。

  1. 最初は電話や来所などの相談から始まる。 支援者向けのハンドブックには、相談のはじまりは電話やメールがほとんど、とある
  2. コーディネーターが話を聞く。 誰からのどんな相談なのかを確かめて、次にどんな支援が要るかを考える
  3. 必要なら、ほかの機関につなぐ。 医療、福祉、就労など
  4. 居場所(同じ悩みを持つ人が集まる場)を提供していることもある

秘密については、VOICE STATIONに「業務上知り得た個人情報は、業務目的以外で他に漏らしてはならない」という運営ルールが載っている。ほかの機関に情報を渡すことがある場合は、先に説明して了承を取る、ともある。

自分が読んでいて少しほっとしたのは、支援者向けのハンドブックのこの部分だった。支援は本人の意向やペースにあわせて進めるもので、緊急事態を除いて、支援者の都合でスピードを速める必要はない、と書かれている。

出典:厚生労働省「ひきこもりVOICE STATION」「ひきこもり支援ハンドブック」

電話以外で相談できるのか

ここが、電話ができない人にとって一番大事なところだと思う。

結論から言うと、電話以外で受けている窓口はある。ただし、どこまで対応しているかは窓口によってかなり違う。

2021年度の全国のセンターの相談は、電話が約45%、来所が約35%で、メールは約8%、SNSは1%に届かなかった。ただ、自治体ごとの差が大きい。札幌市はメールの方が電話より多く、千葉県や神奈川県はメールが0件だった。

出典:厚生労働省「ひきこもり支援施策について」(令和3年度の相談実績)

今どの方法で受け付けているかは、それぞれの窓口の案内を見ないと分からない。支援者向けのハンドブックには、LINEなどのSNSでひきこもり相談に対応する地域も増えてきた、とある。

なお、内閣府の2022年度の調査では、15〜39歳の引きこもり状態の人のうち27.1%が、相談先に「SNSやメールなどで相談できる」ことを求めていた。話さずに相談したい人は、自分だけではなかった。

出典:内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」(厚生労働省「ひきこもり支援施策について」掲載の集計より、複数回答)

家族に代わりに連絡してもらう

もう一つの方法は、家族が最初の連絡をすること。上に書いたとおり、家族だけの相談も受け付けている。

自分は、「自分が動けないと何も始まらない」と思い込んでいた。でも、動ける人が代わりに最初の接点を作っておくという入口もあった。

自分の地域の窓口の探し方

  1. 厚生労働省の「ひきこもりVOICE STATION」の相談窓口ページを見る。 地方ごとに全国の支援機関がまとまっている(令和7年4月1日現在の情報)。ここに載っていなくても相談を受け付けている場合がある、とも書かれている
  2. 厚生労働省の「ひきこもり地域支援センターの住所・連絡先」の一覧を見る。 都道府県・指定都市・市区町村のセンターの名称と電話番号が並んでいる(令和6年3月31日現在)
  3. 窓口の名前で検索して、その自治体のページで受付方法を確かめる。 名前は「ひきこもり地域支援センター」とは限らない。一覧を見ると、「ひきこもり相談支援センター」「ひきこもりサポートネット」など、自治体によってばらばらだった

今日できること

  1. 今日は連絡しなくていい。 自分の地域の窓口の名前と、受付方法だけ見ておく
  2. 受付方法の欄で「メール」「LINE」「フォーム」があるかを確かめる。 なければ、電話以外で相談できないか、家族に問い合わせてもらうのも手
  3. 家族が動けそうなら、この記事を見せる。 家族だけの相談も受け付けている
  4. 使うかどうかは、そのときの自分が決めればいい。 今は、窓口を一つ、逃げ道の地図に書き足しておくだけで十分

よくある疑問

ひきこもり地域支援センターに相談すると、無理やり外に連れ出される?

厚生労働省の資料に書かれている役割は、相談を聞いて、必要な支援につなぐこと。支援者向けのハンドブックには、本人の意向やペースにあわせて進め、緊急事態を除いて支援者の都合でスピードを速める必要はない、とある。ただ、実際の対応は窓口や担当者によって違うはずなので、そこは断言できない。

本人が嫌がっていても、家族だけで相談していい?

家族からの相談も受け付けている。最初は家族の相談から始まって、あとで本人も一緒の相談につながった例も多い、と厚生労働省のサイトに書かれている。

大人(30代・40代・50代)でも相談できる?

2021年度の相談者には、10代以下から50代以上までいる。40代が約17%、50代以上が約9%だった。国の支援者向けハンドブックでも、支援の対象について「その状態にある期間は問いません」とされている(引きこもりは何年で手遅れ?期間の実データ)

電話がどうしても無理。メールだけで相談できる?

メールやSNSで受けている窓口はある。ただ、全部ではない。2021年度の件数を見ても、メールの相談が電話より多い自治体もあれば、0件の自治体もあった。自分が支援サービスの一覧を眺めていた頃は、メール相談を受け付けてるところもあったけど、結局二回目以降は電話か対面に流れる仕組みだった。受付方法は、自分の地域の窓口の案内で確かめるのが確実だと思う。

親が高齢で、先のことが心配

センターは家族からの相談も受けている。親がいなくなった後の手続きやお金のことは、別の記事で整理した(引きこもりのまま親が死んだらどうなる?)

まとめ

  • ひきこもり地域支援センターは、全都道府県と指定都市にある、ひきこもり専門の公的な相談窓口。市町村にも広がっている
  • 本人だけでなく、家族やきょうだいからも相談できる。相談者の年代は10代以下から50代以上まで
  • 入口は電話と来所が多い。メールやSNSで受けている窓口もあるが、窓口によって差が大きい
  • 探すときは、厚生労働省の「ひきこもりVOICE STATION」の相談窓口ページか、住所・連絡先の一覧から
  • 自分は最後まで使わなかった。使えとも使うなとも言わない。中身を知っておいて、使うかどうかはその時の自分が決めればいい

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