自分の苦しさ

履歴書の空白期間を、埋めなくていい説

引きこもりが、いざ動こうとした時、最初に壁になるのが、履歴書の空白期間だ。

学校を出てから、今まで。数年〜10年単位の空白。

そこを見た瞬間、「自分の存在が、証明できない」感覚になる。

履歴書を書いた瞬間、自分の存在が「空白」になる

履歴書を書こうとすると、書く欄が少なすぎることに気づく。

  • 最終学歴: 高校 or 大学(中退含む)
  • 職歴: なし、または短期バイトのみ
  • 資格: なし
  • 志望動機: ?
  • 自己PR: ?

学歴と職歴の間に、数年間の真っ白な空間がある。

その空白を書類に晒した瞬間、自分という人間が、「空白そのもの」として定義される感じがする。

履歴書は、引きこもりにとって、自分の存在を「存在してなかった」と書類上で確定させる、かなり残酷な書類だった。

空白期間の、定番の埋め方

この問題は、引きこもりに限った話じゃなくて、病気・介護・受験浪人・就活失敗でも同じ構造がある。

なので、世の中には「空白期間の埋め方」の定番解が、いくつかある。

  • 療養・静養: 「健康上の都合により療養」。これで数年埋められる
  • 家事手伝い: 親の家業・介護を手伝っていた。実家暮らしなら半分本当
  • 自己研鑽: 資格勉強、独学での技術習得(SNSで公開してた、とか)
  • 個人事業: ポイ活、アフィリ、小規模な在宅作業を「個人事業」と書く

この4つで、空白期間は埋められる

特に最後の「個人事業」は、引きこもりと相性がいい。自分の場合、ポイ活と在宅の仕事を始めてから、履歴書の空白期間を「個人事業主として在宅で活動」と一言書けるようになった。

書かなくていいことを、書きすぎて墓穴

履歴書の空白を埋める時、一番やっちゃいけないのは、書かなくていいことを書くこと

  • 引きこもりだった
  • メンタルの病気だった
  • 発達障害の診断を受けた(本当でも、書かなくていい)
  • 家族と不仲だった

これ、全部、書かなくていい

履歴書は、自分の全てを開示する書類じゃない。仕事に関係ある範囲だけ書けばいい。プライバシーは、保護していい。

「療養」「家事手伝い」の一言で処理できるところを、正直に全部書くと、応募先に余計な情報を渡して、自分で選考を落としに行くようなものになる。

嘘じゃない範囲で、最小限の情報で、埋める。これが、空白期間の正攻法。

履歴書が要らない働き方が、増えてる

もうひとつの、かなり大きな選択肢

履歴書を通さずに働ける仕事が、いまの時代、結構ある。

  • クラウドソーシング: クラウドワークス、ランサーズ、ココナラ
  • 業務委託・フリーランス: 直接クライアントと契約
  • アフィリエイト: 自分のブログ・SNSで収益化
  • せどり・物販: メルカリ、Amazon販売
  • ポイ活: そもそも履歴書の概念がない

この働き方の共通点は、「採用面接」がないこと

クラウドソーシングは、アカウントを作って、案件に応募して、納品する。履歴書を出す瞬間がどこにもない。実績がポートフォリオになる。

引きこもり的には、履歴書を治すより、履歴書のいらない道に乗る方が、圧倒的に楽。

「正社員になる」以外のゴールを知る

履歴書が重く感じるのは、ゴールを「正社員採用」に置いてるからだ。

正社員採用は、履歴書・面接・職歴の三点セットが必須。引きこもり歴は、この三点全部に不利に効く。

でも、正社員以外のゴールにすると、話が変わる。

  • 業務委託で月10万稼ぐ: 履歴書不要
  • クラウドワークスで月3万稼ぐ: 履歴書不要
  • アフィリで月5万稼ぐ: 履歴書不要、そもそも個人
  • ポイ活で月1万稼ぐ: 履歴書不要

この規模で生活を組み直すと、履歴書の空白が、人生の障害にならない

正社員になって月20万稼ぐか、業務委託とアフィリを組み合わせて月15万稼ぐか。どっちでも、生活は回る。後者の方が、引きこもりには圧倒的に近い。

空白期間を「活動期間」と書き換える

自分が最終的にやったのは、履歴書の空白期間を、「活動期間」として書き換えること。

  • 「2015〜2023: 個人事業主として在宅で各種オンラインワーク」

嘘じゃない。ポイ活と、在宅の簡単な仕事と、アフィリの練習を、ずっとやってた。数字上は少額でも、「活動」ではある。

これを書けるようになると、履歴書を書く時の心理的負担が、だいぶ減った

空白ではない、活動していた、と自分で定義することが、履歴書以前に、自分の自己認識を変えた

空白を治すより、空白が刺さらない道を選ぶ

結論。

  • 履歴書が必要な道に行くなら: 「療養」「家事手伝い」「個人事業」で最小限埋める
  • 履歴書を通さない道に行くなら: クラウドソーシング・フリーランス・個人事業で、履歴書を書く場面自体をなくす
  • そもそも働かないなら: 履歴書は、一生書かなくていい

選択肢が、複数ある

引きこもりが「履歴書が書けないから、社会に戻れない」と思い込むのは、履歴書が必要な道しか見てないから。

履歴書が必要ない道を選べば、空白は「ただの時間」に戻る。

空白を治さなくていい。空白が刺さらない場所を選ぶ。それが、一番現実的な、引きこもりの社会への接続だった。