外の苦しさ

役所に行くのが、一番怖かった

病院と同じぐらい、引きこもりが行きたくない場所。役所だった。

でも病院と違って、役所は行かないと生活が回らなくなる瞬間がある。

役所の「番号札待ち」空間が無理

役所に行く怖さを分解してみた。

  • 入口で用件を聞かれる
  • 番号札を取って、待合スペースに座る
  • 周りに、普通に平日昼の世の中の人がいる
  • 自分の番号が呼ばれる(放送で)
  • 窓口で、書類について説明する(会話)
  • 質問される(予想できない)
  • 足りない書類があったらもう1回来いと言われる

この一連のイベントで、エネルギーが丸1日分ぐらい削れる

特にきつかったのは、番号札を持って待ってる時間。周りは仕事の合間に来たスーツの人だったり、子連れの主婦だったり、高齢者だったり。

その中で、平日昼に、何の用事で来ているのかも分からない、髪伸ばしっぱなしの20代がひとり座ってる。自意識過剰なのは分かってる。でも、その場にいるだけで、自分の存在が「平日昼に役所に来ている無職」として認識される感覚に、耐えられなかった。

質問されて、答えられるか分からない恐怖

役所の窓口では、こちらの状況に応じて質問がくる。

  • 「収入は?」
  • 「扶養に入ってますか?」
  • 「前にこの手続きされたことありますか?」

これに対して、引きこもりの自分は、自分の状況を正確に把握していない場合がほとんどだった。

親の扶養に入ってるかどうかすら、よく分からない。

答えに詰まると、窓口の人が、説明を始める。その説明が長い。頭に入ってこない。入ってこないまま、「はい」か「分かりました」と答えて、何も解決せずに帰る

これを数回やって、役所に行くのを諦めた時期があった。

郵送申請で済むものは、意外と多い

諦めたあとに調べて分かったのは、役所の手続きの結構な部分が、郵送で済むということ。

  • 国民年金の免除申請: 郵送OK
  • 国民健康保険の減免申請: 郵送OK(自治体による)
  • 住民票の写し: 郵送請求+マイナンバーカードで自動交付
  • マイナンバー関連: マイナポータルでオンライン申請

申請書は、役所の公式サイトからPDFをダウンロードして、印刷して、手書きで書いて、返信用封筒と一緒に送る

窓口に行って、番号札を取って、1時間待って、5分で説明される手続きが、部屋で30分、書いて封筒に入れて、ポストに出すだけで済む。

この仕組みが存在することを、もっと早く知りたかった。

親が代理で行ける書類も、結構ある

郵送でもできない手続きが、たまにある。印鑑登録とか、本人確認が必要な特定の書類とか。

それでも、親が代理で行ける書類が、意外とある。

  • 委任状を自分で書いて、親が窓口に持っていく
  • 本人の印鑑を持たせる
  • 書類の取得や変更は、結構な割合で代理OK

親に頼ること自体は、別種のハードルではある。でも、自分が窓口に行く場合のエネルギー消費と比べれば、親に頭を下げる方がずっとマシなケースは多い。

この選択も、あっていい。

マイナポータルと、オンラインの恩恵

ここ数年で、オンライン申請が一気に増えた。

  • マイナポータルで、行政手続きがいろいろオンライン化
  • e-Tax で確定申告がオンライン完結
  • 年金の追納や免除の状況も、ネットで確認できる

引きこもりにとって、この流れは追い風だった。

マイナンバーカードを一回作る(ここは親に連れてってもらってもいい)と、その後の大半の手続きは、部屋で完結できる

手続きを郵送・オンラインに切り替えるだけで、役所という存在との距離が、だいぶ遠くなる。

役所に行けない自分でも、制度は使える

ここが一番重要。

役所に自力で行けなくても、制度は、ちゃんと使える

  • 年金免除は、郵送申請で通る
  • 国保減免も、郵送で通る自治体が多い
  • 各種書類も、郵送・代理・オンラインで済む

「役所に行くのが怖い」が、「制度が使えない」に直結しない時代になってる。

引きこもりが自分の生活を守るために必要な手続きは、ほぼ100%、部屋から動かずに処理できることが多い。

窓口に行ける日が来なくても、生活は回る

結論として、自分は役所の窓口がまだ怖い。

でも、窓口に行ける日が来なくても、日常は、全部、部屋で処理できる

  • 紙が来たら、検索する
  • 申請書を公式サイトで探す
  • ダウンロードして印刷(コンビニのネットプリントでいい)
  • 書く
  • ポストに入れる

この流れを一回覚えると、役所という存在は、家に届く紙と、ポストに出す紙のやり取りだけの関係になる。

窓口恐怖を「治す」必要は、ない。窓口に行かない生活を組み直すだけで、制度は自分のものになる。