「親が死んだら自分はどうなる」を検索した夜
引きこもってる人が、真夜中に一番検索する言葉のひとつ。
「親が死んだら 引きこもり お金」。
自分も、何度も検索した。
この検索をしたことがある人は、少なくないと思う
この検索をするのは、だいたい深夜だ。
昼は、目の前の現実を回すのに必死で、親の死まで考える余裕がない。夜、家族が寝静まった頃、天井を見上げてると、ふと頭に浮かぶ。
- 親はいつまでも元気じゃない
- 親が死んだら、自分の生活は誰が支える?
- この家は、持ち家? 賃貸?
- 自分は、その時、どうやって生きる?
考え出すと、止まらなくなる。布団の中でスマホを開いて、同じようなキーワードを5回、10回と検索する。
検索しても、答えは出ない。でも検索せずにいられない。
検索結果は、希望的でも絶望的でもない
一通り調べた結果、自分が理解したのは、だいたいこういう話だった。
- 生活保護: 親の財産を相続・処分したあと、資産が一定以下なら受けられる
- 遺族年金: 親が年金を受給していれば、要件次第で引き継がれる場合がある(ケース限定)
- 実家の処分: 相続するか売却するかで、手元に入るキャッシュが変わる
- 国民健康保険・国民年金の切り替え: 親の扶養から外れるので、自分で手続きが要る
絶望的な話じゃない。制度はある。
ただ、「役所に行って、書類を出して、人と話して、手続きする」が前提になる。引きこもってる自分にとって、これは結構な壁に見えた。
調べたら怖さが減るわけじゃない。でも輪郭は見える
検索して、全部の不安が消えたかというと、そうじゃない。
「親が死んだら、自分は詰む」という漠然とした恐怖が、「親が死んだら、役所でこういう手続きが要る」という具体的な恐怖に、輪郭がハッキリするだけ。
でも、輪郭がついた恐怖は、漠然とした恐怖より、扱いやすい。
- 具体的な手続きがあるなら、事前に調べておける
- 親に聞ける範囲で、家の財産状況を聞いておける
- 役所の手続きの郵送代行・オンライン化の情報も調べておける
不安は消えないけど、不安の「何が怖いか」が見えると、夜中に布団の中で無限に検索するループからは、抜けられる。
親が元気なうちに、聞いておいてよかったこと
これは自分が後からやってよかったと思うリスト。
- 親がどの銀行を使っているか
- 生命保険に入っているか(入っているなら会社名だけでも)
- 家は持ち家か借家か、ローン残ってるか
- 遺言書の有無(なくてもいい)
- 兄弟姉妹との相続の取り決めがあるか
全部を一気に聞く必要はない。会話のついでに、親の体調の話をしてる時とかに、1個ずつ聞くくらいで十分。
聞いたメモは、紙に書いて、自分の部屋のどこかに置いておく。
自分で、ちょっとでも金を引けるようになる意味
親が死んだ後、自分を支えるのは、国の制度+自分の少しの手持ち、のどちらかになる。
国の制度は、申請したら使える。でも、申請までの期間、引きこもってる自分が持ちこたえるには、自分の手元に、最低限のキャッシュが要る。
ここで効いてくるのが、「自分で月数千円〜数万円、引ける状態」を、親が元気な今のうちに作っておくこと。
月1万円の収入源があるだけで、親が亡くなった直後の空白期間(手続きが終わるまで)を、少なくとも数ヶ月は自分の手で持ちこたえられる。
親の扶養から外れる日のために、今、月1万円。これは「備え」として、かなり現実的な数字だと思う。
焦らなくていい。でも、知っておくだけでいい
親の死は、いつかは必ず来る。
でも、それは今日明日じゃない(多くの場合)。
今やるべきなのは、今夜、布団の中で無限検索する代わりに、昼間に30分、制度を調べてメモしておく、ぐらい。
焦って今すぐ手続きする話じゃない。焦って今すぐ就職する話でもない。
知らないから無限に怖い状態を、知ってるから輪郭がある状態に、変えるだけ。
それで、夜の検索ループは、少なくとも一段、静かになる。
書いたメモは、忘れていい
親について調べたメモは、一度書いたら、引き出しの奥にしまって、忘れていい。
忘れていても、いざという時に出てくるから大丈夫。忘れることで、今の自分は、今日を生きることに戻れる。
引きこもってる自分が、親の死に毎日備えて生きるのは、しんどすぎる。
備えるのは1回、そのあとは忘れる。これでいい。