引きこもりでゲームばかりの自分を責めていた。元当事者がやめずに変えたことと、ゲーム障害の基準
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先に言うと
- 引きこもっていた頃、ゲームは唯一と言っていい逃げ場だった。自分がしんどかったのはゲームそのものより、課金のたびに「これ、親の金なんだよな」と思うことだった
- 自分は課金の額を減らさなかった。変えたのは、お金の出どころ。ポイ活のポイントで課金するようにしたら、罪悪感が消えた
- WHOのゲーム障害の説明に、「1日何時間以上」という基準は出てこない。見ているのは、コントロールできるかと、生活に大きな支障が出ているか。気になるなら、専門の相談先がある
朝から晩までゲームをしている。それ以外にやることがない。ふと「このままでいいのか」と思って、「引きこもり ゲームばかり」と検索する。
出てくる記事の多くは、親向けに「どう接するか」を書いたものだ。ここでは、ゲームをしていた側から書く。自分がゲームをどう使っていたか、何がしんどかったか、何を変えたら楽になったか。それと、ゲーム障害について公的な機関が何と書いているか。
引きこもっていた頃、ゲームは娯楽だけじゃなかった
自分にとってのゲームも、遊び以上のものだった。
- 一日の時間を埋める仕事
- オンラインの仲間との、唯一の接点
- 達成感をもらえる、数少ない場所
- ストレス発散の場所で、同時にストレスの出どころでもあった
会社や友人関係や趣味や居場所の何割かを、ゲームが代わりに引き受けていた。だから、ゲームから課金を抜くと、生活のハイライトがほとんど消える。「課金しなきゃいいじゃん」と言われれば、その通りなんだけど、それはしんどかった。
しんどかったのは、ゲームより「親の金」だった
ゲームをしていると、楽しい瞬間はちゃんとある。ガチャでいいキャラを引いた、新しいコンテンツが解放された、オンラインの仲間と一緒にクリアした。
でも自分の場合、楽しい瞬間の裏に、必ず「この金、親からもらったやつなんだよな」が張り付いていた。
- 月3,000円の課金パックを買う → 親の財布から出た3,000円
- ガチャを10連回す → 親の金が、ゲームの中に消える
- 月額の有料会員に入る → 自分は働いていないのに、月額の支払いをしている
親は何も言わないかもしれない。でも、自分の中で「お前、ゲームに課金する金があるなら、働け」という声が、定期的に鳴っていた。
親にバレないように気をつけていた時期もある。親の財布から買い物をしたときのお釣りをちょろまかして、プリペイドカードを買う。我ながら情けないこともしていた。
ゲームの楽しさの半分以上を削っていたのは、ゲームをしていることではなく、この罪悪感の方だった。
カゲの場合:課金の額は変えず、お金の出どころを変えた
転機は、ポイ活で貯めたポイントをGoogle Playのギフトコードに換えて、そのお金でゲームに課金した日だった。
金額は、たぶん3,000円分ぐらい。ガチャを回して、出たキャラは大したレアでもなかった。でも、回している手の感覚が、それまでとまったく違った。
- 誰の金でもない
- 誰にも後ろめたくない
- 外れても、自分の責任で完結する
当たりは微妙だったのに、「自分の金で回したガチャ」は、それまでで一番楽しい10連だった。
ここで気づいたのは、自分の場合、課金の問題は「課金額を減らす」ではなく「お金の出どころを変える」で軽くなった、ということだった。課金の額は同じなのに、課金するたびの罪悪感が消えた。ゲームが、ちゃんと逃げ場として機能するようになった。
ポイ活でポイントを作るときも、ゲームは役に立った。最初の千円を作ったときにやった案件の中に、ゲームアプリで条件を達成するものがあった。500〜2,000円ぐらいの案件で、時間はかかるけど確実に入った。
ただ、ゲームアプリやアンケートのような気軽な案件だけでは、月1万円にはなかなか届かない。自分は最初の千円ができたあと、すぐにクレジットカードの案件に手を出した(最初は楽天カードだった)。
モッピーでは、交換先を使い道ごとに分けていた。ゲーム課金にはGoogle PlayやApp Storeのギフトコード。こうすると、親の目に触れずにお金が動く。
ゲーム系の案件とギフトコードへの交換に、自分はモッピーを使っていた。
ポイ活が危なくないか気になる人は、先にこっちを読んでほしい → ポイ活って危ないのか
ゲームばかり=ゲーム障害、ではない
まず、「ゲームばかりの自分は依存症なのか」という不安について。
WHO(世界保健機関)は、「ゲーム障害」を病気の分類に載せている。WHOの説明を短くすると、こうなる。
- ゲームをすることをコントロールできない。ほかのことよりゲームが優先されていく。悪い結果が起きても続ける
- それで生活に大きな支障が出ていて、通常は12か月以上続いている
- 当てはまるのは、ゲームをする人のうち、ごく一部とされる
出典:WHO「Frequently Asked Questions: Gaming disorder」
WHOの説明に、「1日何時間以上」という基準は出てこない。見ているのは、コントロールできるか、ほかのことより優先されているか、悪いことが起きても続けているか。そのうえで、生活に大きな支障が出ているか、だ。
自分がゲーム障害に当てはまっていたのかどうかは、分からない。診断を受けたことはないし、この記事で誰かを判断するつもりもない。気になるなら、下に書いた相談先で専門家に聞くのが確かだと思う。
専門の病院も「なぜゲームなのか」を見ている
日本でネット・ゲーム依存の専門外来を持つ病院のひとつに、国立病院機構久里浜医療センターがある。その受診案内のページには、こう書かれている(要約)。
- 進級や受験のプレッシャー、家庭内不和、学校での居場所のなさなど、ゲームにのめりこみたくなるような現実生活上の問題が背景にあるケースも多い
- 相談に来る人の中には、「将来何をしたいかわからないから、漫然とゲームをしている」「家に居場所がなく、ゲーム仲間が居場所」「学校に行きたくない。家にいても暇だからゲームしている」という人もいる。もちろん「ゲームが面白くてはまった」という人もいる
- ネットやゲームの問題は、行きつ戻りつしながらゆっくり回復していくことが多い
出典:久里浜医療センター「インターネット依存治療部門:受診案内」
専門の病院でも、ゲームだけを切り離して見ているわけではない。なぜそれほどゲームにのめりこまなければならなかったのかを理解することが大事だ、と書いてある。
生活が回らないと感じたときの相談先
ゲームのせいで食べる・寝るが崩れている、やめたいのにやめられない、課金が止まらない。そう感じるなら、一人で抱えなくていい。
- ネット・ゲーム依存の治療施設を探す:久里浜医療センターが「ゲーム障害・ネット依存・スマホ依存の治療施設リスト」を公開している。都道府県順に、施設名と連絡先が並んでいる
- 引きこもりそのものを相談する:ひきこもり地域支援センターは、ゲームに限らず、引きこもりの状態そのものを相談できる公的な窓口。電話以外の方法がある窓口もある → ひきこもり地域支援センターとは?
出典:久里浜医療センター「ゲーム障害・ネット依存・スマホ依存の治療施設リスト」
自分は、ひきこもり地域支援センターを最後まで使わなかった。それでも、中身を知っておくだけで「怖い場所」の怖さは少し減った。
家族の人へ
この記事は本人側から書いているけど、親の立場で読んでいる人もいると思うので、少しだけ。
久里浜医療センターは、ネット・ゲーム依存で困っている家族向けの「ネット依存家族ワークショップ」を開いている。本人が受診していなくても、家族だけで参加できる。
出典:久里浜医療センター「インターネット依存治療部門:受診案内」
本人側から一つだけ書いておくと、自分の場合、親が何も言わなくても、頭の中では自分で自分に「働け」と言っていた。ゲームで楽しい瞬間の裏にも、その声が張り付いていた。
今日できること
- 今日のゲームは、そのまま続けていい。 自分の場合、ゲームから課金を抜くと、生活のハイライトがほとんど消えると感じていた
- しんどさの出どころを一つだけ考えてみる。 ゲームの時間なのか、課金のお金なのか、「働け」という声なのか。自分の場合はお金だった
- お金が出どころなら、ポイ活のサイトを一つだけ見てみる。 登録しなくてもいい。どんなゲーム案件があるか眺めるだけで、今日はそこで止めていい
- 生活が回らないと感じているなら、治療施設リストで自分の県のところだけ見ておく。 電話はしなくていい
よくある疑問
ゲームばかりしている自分は、ゲーム障害なの?
この記事では判断できないし、自分も診断はできない。WHOの説明では、コントロールできない・ほかのことより優先される・悪い結果があっても続ける、という特徴があって、生活に大きな支障が出ていることが目安になっている。時間の長さの基準は書かれていない。気になるなら、治療施設リストにある医療機関に相談するのが確かだと思う。
ゲームをやめれば、引きこもりから抜け出せる?
自分の場合、引きこもった理由は学校や会社や気質が重なったことで、ゲームではなかった(「なぜ引きこもりになったのか」を、自分なりに整理した話)。ゲームは、引きこもっている間の逃げ場だった。久里浜医療センターも、ゲームにのめりこむ背景に現実生活の問題があるケースが多いと書いている。抜け出すきっかけについては、こっちにまとめた → 引きこもりを抜け出すきっかけは?
課金をやめられない
自分は、やめるより先に、お金の出どころを親から自分に変えた。課金の額は同じでも、罪悪感が消えた。ただ、課金が止まらなくて生活費に手をつけている、借金をしている、という状態なら、話は別だと思う。上の相談先を使ってほしい。
夜中までゲームをして、昼夜逆転している
昼夜逆転については、別の記事にまとめた。自分は朝型に直さなかったけど、整えたことはある → 引きこもりの昼夜逆転は治すべき?
まとめ
- WHOの説明では、ゲーム障害はプレイ時間ではなく、コントロールできない・ほかより優先される・悪い結果があっても続ける、という特徴と、生活への大きな支障で見る。通常は12か月以上続いていることが目安
- 専門の病院も、ゲームにのめりこむ背景にある現実の問題を見ている
- 引きこもっていた頃の自分にとって、ゲームは時間を埋める仕事で、人との接点で、達成感をもらえる場所だった
- しんどかったのはゲームより、課金のたびに「親の金」と思う罪悪感だった
- 自分に効いたのは、課金額を減らすことではなく、ポイ活でお金の出どころを自分に変えることだった
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